恋口の切りかた
私は声を上げて泣いた。
私にも、父上の言った「武士の情け」の意味がわかったけれど、
それはとても容赦のないことのように思えた。
名誉も、
誇りも、
どうでも良いと思った。
ただ彼に生きてほしいと思った。
私には六年以上の歳月をその社会の中で過ごしてもやっぱり、
武士の生き方も死に方も、理解できなくて、
でも──
大好きな円士郎もまた、
私に理解できない、そんな武士の在り方に従って行動しようとしている。
そのことがとても悲しくて、
彼にこんな運命が待っていたなんて信じられなくて、
私は、ただ円士郎を思って泣き続けた。
会いたいよ、エン……
あなたは今、どこにいるの?
もう一度、その声を聞きたいよ……