恋口の切りかた



俺がずっと守り続けた少女。


この世でただ一人、一生をかけて幸せにしようとした女。



こんな真似をしてしまえば──


──置き去りにできるわけがない、と思うに決まっている。



俺だけがその手を握って、雪の中から救ったのだ。


再び彼女の手を離して、取り残すことなど、できない──。


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