恋口の切りかた
円士郎の手が、私の背中をそっとなでてくれる。
「留玖、つらくねえか?」
再び幸せな微睡みに落ちようとする私に、円士郎がいたわりの言葉をかけてくる。
「旅なんて、慣れねえだろ。
お前は国にいたほうが──」
「ううん」
私は彼の腕の中で、ふるふると首を横に振った。
「私は平気だよ。あなたのそばにいられるなら──何もつらいことなんかない」
「そっか……」
円士郎の手が私の髪をすいて、頭をなでてくれて、
「まだ早い。もう少し寝てていいぞ」
と、彼はやっぱり優しい声で言った。
「三日前、関所の前で宗助が追っ手の奴らを足止めしたから──今朝はゆっくりできる」
「うん……」
私は頷いて、
「留玖、つらくねえか?」
再び幸せな微睡みに落ちようとする私に、円士郎がいたわりの言葉をかけてくる。
「旅なんて、慣れねえだろ。
お前は国にいたほうが──」
「ううん」
私は彼の腕の中で、ふるふると首を横に振った。
「私は平気だよ。あなたのそばにいられるなら──何もつらいことなんかない」
「そっか……」
円士郎の手が私の髪をすいて、頭をなでてくれて、
「まだ早い。もう少し寝てていいぞ」
と、彼はやっぱり優しい声で言った。
「三日前、関所の前で宗助が追っ手の奴らを足止めしたから──今朝はゆっくりできる」
「うん……」
私は頷いて、