恋口の切りかた
「それで、漣太郎としては、武士の誇りにかけて何とか一矢報いたいと?」

「男の誇りにかけてだ!」


追いつめられた俺は、こうして道場で父親に教えを請うことになったわけだ。


「男の誇りねえ」

「クソ、このオレの無敗伝説があんなやつのせいで……」

「なァ~にが無敗だ!」


数えで十にも届かないガキの口から飛び出した言葉に、親父殿はゲラゲラ笑い、

ぴしりとひざを打った。


「何にしても、お前が真面目に稽古する気になったのはめでたいな。よし、この親父様が秘策を授けてやるよ」

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