恋口の切りかた
幼かった俺は、こいつとの遊びの中で剣術の何たるかを知らず、彼女にそれを教えてしまった。

自らの剣を人殺しの剣だと言って泣いた彼女に、俺が最初にその術を教えた。



「俺が──俺がお前に、棒切れ遊びじゃなく、『剣術』を教えたから──

だからお前は……」



震える腕で、彼女を強く強く掻き抱いて、



「だからお前は、七年前に家族を失った」



俺は──最愛の人を、

この世で最も大切な存在を、俺の手で不幸にした。



「ごめんな……」


俺は繰り返した。



「俺は、本当にお前を俺の妻にしたかったんだよ。

お前がなくした家族の代わりに、俺がなりたかった──

お前の夫になって、俺が奪った幸せを取り戻してやりたかったんだ──」
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