恋口の切りかた
「留玖……好きだ」


甘い円士郎の声が、思考をとろかしてゆく。


「エン……」


私は彼の名を呼んで、


エンが好き……

大好き……


頭の中はそれだけになって、

他には何も考えられなくて、

気が遠くなりそうになった時、



「留玖、我慢できなかったら……言えよ」



円士郎が、激しくて優しい声で、囁いた。
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