恋口の切りかた
「今日は一日中、こうして過ごそうぜ」


雨の朝のほの明るい光の中で、俺は白い首筋に唇を当てて舌を這わせて、


「やっ……あ……え、エン……」


か細い声を出す留玖の襟元から、着物の中に手を滑り込ませた。


「なあ、いいだろ、留玖……」


甘く囁くと、彼女が震える吐息を漏らす。


「俺は、お前に溺れてるんだよ──」


ざあざあという秋の雨の音を聞きながら、俺は留玖の温もりの中へと深く深く潜り込んでいった。






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