恋口の切りかた






目が覚めたら、窓の外の明るい陽の光と桜の木が見えて、


私は城の、私の部屋に寝かされていた。


「留玖、気がついたか?」


そばでは、いつかもそうしてくれていたように、

円士郎が私の手を握って、心配そうに私を見下ろしていた。


「エン……私……どうしちゃったのかな……」


尋ねた私を、円士郎は優しい目で見つめた。


「留玖、やったぞ」
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