恋口の切りかた
堀口文七郎というこの男も、二人も斬っておきながら、まさか子供にやられるなど信じられなかったのだろう。


堀口は仰向(あおむ)けに倒れたまま、大きく見開いた目で留玖を見上げていた。


赤黒い水が、じわじわと畳の上に広がってゆき、

それに従って、徐々にその瞳から輝きが失われていく。



「ひィイイイイッ!?」

背後から上がった悲鳴で、俺は我に返った。
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