恋口の切りかた
一、であい
【漣】
「漣太郎が来たーっ!」
「うわあああ! 逃げろーっ」
ギャーギャーさわぎながら、桜吹雪の中を子供たちが走っていく。
ふっくくく、逃がさねえ。
「オラ待て、逃げんな」
「ぎゃー!」
あっという間に追いついた俺が襟首をつかむと、つかまえた二人のガキんちょは仲良く断末魔のさけびを上げる。
「さーて、オレとあっそぼうぜ~」
ぷるぷる震えながら恐怖に泣きさけぶ彼らに満面の笑みを見せて、俺はいつものように手にした木刀を振り上げた。