恋口の切りかた
「てめ……なに笑ってるんだよ」

おれの顔を見て、少年がまた変な表情になる。


「だって、おもしろそうなんだもん」

「……へんなやつ」

「そうかなあ?」

「今にヘラヘラ笑えなくしてやる!
オラ、行くぞ!」


少年が吼(ほ)え、いつものように飛びかかってくる。


いつものように、おれが棒きれをくり出す。


ここ数日、何度もくり返した光景が再現され、





そして今日はこの先が違っていた。


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