恋口の切りかた
 
 【漣】

低い斬撃が来る。


この後だ、この後にすぐもう一撃が来る──

今日は木刀を飛ばされねえ!


ガン!

片手で相手の一撃目を受ける。

同時に、


もう片方の木刀を、俺は思い切り叩き込んだ。




軽い衝撃が腕から伝わってきて、トウ丸の細い体が吹っ飛ぶ。




「勝った──のか?」

俺は桜まみれになって地面に転がったトウ丸と、しっかり俺の両手ににぎられたままの二本の木刀を見くらべた。



「勝った……勝ったぞ、オレの勝ちだ!」
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