恋口の切りかた
 
 【刀】

けほけほ。

小さくせき込んで、おれは上半身を起こした。


「──な!? げっ! お前、不死身か!?」

少年が、ギョッとしながら慌てて二刀をかまえ直す。


おれは座ったままズキズキ痛む腹をさすった。

「やっぱり強いなあ、きみは」


あの一瞬、

攻撃をよけて後ろに大きく飛んだのだけれど、よけきることができなかった。


かすっただけかと思ったのに、結構深く入ったようだ。

立ち上がることはできそうにない。


おれは座り込んだまま、少年を見上げた。


「まいった」
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