恋口の切りかた
四、彼と彼らの心
【円】
「は! ふざけてんのか」
都築と名乗った浪人の口から放たれた言葉に、俺は鼻を鳴らした。
「そんな話に誰が乗るかよ」
「誰が、か」
都築は面白そうに口の端を吊り上げた。
「そこで死んでいる男は、浅井という浪人だが……奴は『四人目』だ」
はあ?
この浪人が何を言い出したのかわからず、俺が眉間に皺を寄せると、
「つまりこれまで四人がこの話に乗った、ということだ。
それまで私に手を貸していた者が、このように途中で死ねば──『代わり』を探す。
そうやって、また新しい仲間を得て──
私は人を斬り続けてきたのだ」