恋口の切りかた
──はっ!?
いかん、何考えてるんだ俺!

思わず感心しちまったじゃねえか。



ちなみに鉄の塊を顔面に投げつけられて食らったワケなので、かなり痛い。


手が飛んできた、という驚愕と衝撃が治まると、

俺の中には沸々と怒りがわき上がってきた。


「てめえ──ふざけやがって……」

「ふざける!? 失敬な! ボクは大まじめだ!」

鬼之助は心外そうに言って、
もう一方の手を俺に向けて構え、

鎧の鳩尾板を引っ張った。


「小型改良版──飛空撃賊震天雷砲!」


ひくうげきぞくしんてんらいほう!?

何だそのカッコイイ名前は──とか、俺の頭が一瞬思って、


構えた鬼之助の腕で、
籠手の両側に折り畳まれていた翼が出現する。


バチッと小さな音がして

今度は鎧の籠手が飛び出した。
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