恋口の切りかた
爆発と言っても、

パン! という手を叩くよりやや大きな音がした程度だったが。


そばにいた俺に火の粉が飛んで来るようなこともなく、

首は動かないため、動かせる眼球のみを使って横目で視線を送ると、
松の幹に少し黒い焦げ目がついているのが確認できた。


やはり大した威力ではないものの、

直接食らっていたらと思うと──ヒヤリとする。


軽い火傷は負うハメになっただろう。


「くそ、ハズしたか」

鬼之助は悔しそうな顔をした。


「これもお前が作ったのかよ?」

俺はあきれながらも、一方で感動していた。



こいつ、

最初はただの変態かと思ったが……





面白ェ──





俺の中でそんな興味が頭を起こした瞬間、
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