恋口の切りかた
四、刀丸と漣太郎
【漣】
それから、俺は刀丸とよく遊ぶようになった。
遊ぶといってもやはり大抵はケンカ勝負なのだが、
刀丸の場合、
ほかのやつとの「遊び」と違って勝ったり負けたりで、一方的なイジメにはならない。
勝負と言えば、
あれからしばらくは俺が勝った。
が、やがて刀丸が戦法を変え、
また俺が負けた。
どちらかが新しい戦法を編み出すと、しばらくはそちらが勝ち、
しかしまた相手も対抗して新技を編み出したり弱点を発見したりして、今度は逆にそいつが勝つ。
とまあ、だいたいこのくり返しだった。