恋口の切りかた
道場に来ることのできない刀丸のために、

俺は自分が知る鏡神流の技を教えてやったりもするようになって──



後にそれは、


俺と刀丸の運命を大きく変える事件を引き起こし──

刀丸が大切にしていたものすべてを粉々に打ち壊して──


俺は、一生逃れられない激しい後悔と自責の念に襲われ続けることになるのだが──



剣術の何たるかを知りもしなかった馬鹿な子供の俺は、


ただ刀丸の喜ぶ顔が見たくて、そんな未来が訪れることなど考えもしなかった。
< 61 / 2,446 >

この作品をシェア

pagetop