恋口の切りかた

四、人体発火事件

(*人体自然発火現象：
通称SHC＝Spontaneous Human Combustion。
火の気が全くない条件下で、人間が突然燃え出し、多くは人体の一部を残して灰になるまで燃え尽くされてしまうという不可解な怪現象。

世界各地に記録があり、古くは江戸時代の頃ヨーロッパで、イタリアに住む婦人が両足と体の部位数カ所を残して灰になったという事例が報告されている。

このオカルトじみた現象に関しては、プラズマ説、発火遺伝子説など様々な説が囁かれているが、二十一世紀の現在では、通常の火災現象をあたかも人体が自然発火したかのように目撃者が誤認したものと解釈されている……)