恋口の切りかた
笑われている。
からかわれている。
ムッとするところなのかもしれないけれど……
「可愛いな」という円士郎の言葉が頭の中をぐるぐる回る。
「今回は」? 今回はって……どういう意味?
そんなことを考えてしまう。
私は何だか平衡感覚がおかしくなったかのような、ふわふわした変な感じがして、
「まだ怖いか?」
優しい声で円士郎が尋ねた。
ちょっぴり意地悪そうだった、さっきまでの響きは消えていた。
目を開くと、円士郎は声と同じように優しい瞳で私を見つめていた。
激しく暴れて騒ぎ回っていた心臓が治まって、
代わりに温かくて柔らかい静寂が心の中に広がった。
急に、肩に回されている円士郎の腕の重みを感じた。
包み込まれるような安心感を覚える。
「ううん。もう、そんなに怖くない……気がする」
怖ず怖ずと口にすると、円士郎はそうかと微笑んで、大きな欠伸を一つした。
「じゃ、もう寝ようぜ」
「……うん」
からかわれている。
ムッとするところなのかもしれないけれど……
「可愛いな」という円士郎の言葉が頭の中をぐるぐる回る。
「今回は」? 今回はって……どういう意味?
そんなことを考えてしまう。
私は何だか平衡感覚がおかしくなったかのような、ふわふわした変な感じがして、
「まだ怖いか?」
優しい声で円士郎が尋ねた。
ちょっぴり意地悪そうだった、さっきまでの響きは消えていた。
目を開くと、円士郎は声と同じように優しい瞳で私を見つめていた。
激しく暴れて騒ぎ回っていた心臓が治まって、
代わりに温かくて柔らかい静寂が心の中に広がった。
急に、肩に回されている円士郎の腕の重みを感じた。
包み込まれるような安心感を覚える。
「ううん。もう、そんなに怖くない……気がする」
怖ず怖ずと口にすると、円士郎はそうかと微笑んで、大きな欠伸を一つした。
「じゃ、もう寝ようぜ」
「……うん」