恋口の切りかた
「やめなよ」


凛、とした声が境内に響いた。


「あァ?」

殺気立った俺が声のほうを見ると──


舞い散る美しい薄紅の花弁を照らす

午後の明るい日差しの中に、


そいつは立っていた。

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