Princess・Lover
「お嬢様、お乗り下さい」
加藤斬がリムジンのドアを開ける。
いつもと同じ光景と、お付きの気の使い過ぎに溜息が出る。
「溜息!?疲れてるんですか!?もしや風邪!?今日は休んだほうが……」
「あー大丈夫だから」
また溜息をつく。
これも、私のお付き。
いつもは無口であまり喋らないんだけどな。
「忘れ物はありませんか?本当に大丈夫ですか?」
「蜜、髪が乱れてるぞ」
「お嬢様でしょう?敬語を使いなさい」
この馬鹿そうな男が神崎 翼。
翼って書いて「ヨク」って呼ぶんだけど、よく「ツバサ」っ間違えられる。
髪は、スポーツがりっていうのかな、よく分からないけど、坊主頭に近い髪型。
礼儀正しいのが神崎時雨。
二人は兄弟。
似てないけど。
私はリムジンに乗り込むと、私を乗せたリムジンは学校へと向かった。
運転してるのは私じゃなくて斬。
まあ、当たり前だけど。
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