好きな人は暴走族
「で、付き合うの?」

「……分かんない。
あんまし学校来てないらしいし……顔も見たこと無いし」

「ふ~ん」

「だから友達からかなぁ」

「まー良いんじゃない?
まだ中二だし」

「だよねー」

「で、時間は良いの?」

「え!…………もうこんな時間!」

時計を見るともう7時30分を過ぎていた。

私の学校は進学校だから遅刻は許されない。

私は急いで皆に挨拶をして玄関を出た。

「紗枝。
行ってらっしゃい」

「行ってきます!
お兄ちゃん!」

さっきのはお兄ちゃんの翔。
優しそうに見えてケンカが超強い。
今だって二週間の停学処分をうけたばっかりだ。
これでも学年一番だからスゴイ。

「「「紗枝さん!行ってらっしゃい!!!」」」

「皆!行ってきます」

さっきのは竜童家の皆。
極道だけどめっちゃ優しい。

皆に挨拶をして門をくぐったら一台の車が止まった。

「紗枝!
遅いから来たよ」

里美だ。

里美の親はブランド会社の社長さんだ。

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