君があたしにくれたもの
それからの日々はさらに速く過ぎていった。
気付いたら冬になって、あっという間に春が来た。
高校にも無事合格し、彩夏は、高校が離れてしまう杏子や真依と、残された中学生最後の日々を楽しく過ごしていた。
「あたしらもう離れてまうんやなあ…」
杏子が淋しそうに呟いた。
「せやなあ…」
彩夏と真依もため息をつく。
「でも、あたしら高校離れても親友であることは変わらへんし!なっ?」
真依は、暗い空気を破るように大きな声で言った。

「せやんな!!学校ちごても、また相談とか愚痴とか、くだらんこととか、今日みたいに集まった時いっぱいしゃべろ!」
彩夏は真依の笑顔につられて元気になった。
真依はいつも、暗い空気になったら場を盛り上げてくれる。
いつも前向きで明るくて、ムードメーカー的存在だ。超ネガティブな彩夏にとって、真依は親友であり憧れの存在でもあった。
真依の笑顔には何度も救われたし元気をもらっている。

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