Lovingly




浮かれた気分の波音は、ドキドキしながら教室のドアを開いた。
ガラガラッ。

「…。」

「…。」

教室内は異様に静かだった。
目に入るのは大人しく座ってる人たちと喋っている人たちがちらほらいるくらい。
波音まで固まってしまった。
すぐに我にかえった彼女は歩きだし、自分の席についた。

『うっわぁ…やっていけんのかな…あたし』
さっきの状態とはうって変わって不安でいっぱいだった。

すると斜め後ろから自分を呼ぶ声が聞こえた。

「のんちゃーんっ!」

振り向くと中2のとき一緒だった亜也華がいた。

「あぁ!アヤじゃぁん!!久しぶり」

「久しぶりっ!もうさぁ教室入った途端みーんな静かだからちょー不安だったんだーマジのんちゃんとか知ってる人いてよかったぁ」

波音は肩の力が少し抜けた気がした。
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