プリン+生クリーム
生クリームは大事だよ。
「コレは・・・ッッ!!!!」
「駅前のケーキ屋でしかない、こだわりプリン生クリーム添えの限定プリン!!!」
「ちょっ、龍!!!いいなぁ~一口ちょうだいよー!!」
「OK~!可奈のためなら、はいどーぞ!」
彼のスプーンにすくわれた、プルンとした薄き色の姿に、白い綺麗な雪を被ったような、幻のプリン。
私は、ハムッと口に含む。
口に入れた瞬間、トロッ、ととけ、そのまま液体のように私の喉の奥に流れていく。
口の中には、バニラと卵の見事なハーモニーが繰り広げられ、その味は、プリンが姿を消した、喉まで・・・ううん。たった一口で、全身に伝わってるような、おいしさ。
「うっまぁあぁあ~!!!!」
「でしょでしょ!!俺もーはむっ!うっめぇえ!!」
そういう彼、凌草 龍。
私の幼馴染。
それでも彼氏じゃないんだよなー。
私のただの片思い。
だって彼には、
「ねー!可奈なら喜んでもらえるとおもったんだー!!龍!私も一口ー!」
「はい、あーん!」
彼女がいるの。
私の親友、軽井沢 里奈。
「ほんと、おいしい!!!」
「昨日なー!里奈とデートしてるとき、たまたま残り1個があったんだよなー!」
「うん!!可奈スキダから、買おー!みたいなー!!」
「・・・ほ、ホント!?うれしー!!里奈大好きー!!!」
「お、俺は!?」
「お前は里奈の愛情で一杯一杯だろーが!ばーか!!」
私は自分の気持ちに嘘をつく。
親友の彼氏のことをスキダなんて、
ヤな女・・・
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