【短】涙が出るほど好きだった
近くに
今日も暗めの夕方に引き込まれる。
めずらしく
しとしとと、雨が降っていて心の中もブルー。
「まだ一緒に帰れないの?」
「うん…忙しいみたい。」
「…普通は彼女のほうを優先すんじゃないの?」
優子ちゃんにそういわれて何も言い返せなかった。
心の中では奏くんの意図を分かっていたから。
”香織さんと…一緒にいるため”
「ま、奏くんなら責任感も強いし仕方ないか。」
優子ちゃんはあたしに気を使ったのかそういい残して去っていった。
相変わらずの毒舌…でもあたしのために言ってくれてる。
さりげない…優しさ。