人形姫~Where is Princess's mind?~
“・・・引いた?”
不安になって聞くと、思いがけない答えが返って来た。
“いや・・・、無視と嬉しんだけど”
そう言って彼のケータイを開く。
そこにあったのは、私の走る姿。
“ちょっと、いつ撮ったの?”
恥ずかしくなって怒ったように聞いてみる。
“昨日の大会。ホントは、他の奴に見せたくないけど”
“もう、やめてよー・・・”
ああ、こんなことなら、私も彼の写真を撮っておけばよかった。
“じゃあ、俺も詩音と同じ写メにしよっと。じゃあ、勉強頑張ろうな”
それだけ言って、逃げるように彼はその場を後にした。
呼び止めようとしたけど、もう叶いそうにない。