人形姫~Where is Princess's mind?~

“俺もその大学を志望してるんだけど、今日の面談で無理だって言われたんだ”

そういうことか。

“そんなこと分かんないよ。合格して見返してやろうよ。

ねえ、一緒に勉強しない?
直、数学得意でしょ?教えて欲しんだけど、ダメ?”

自分でも驚くほど自然に言葉が出た。

“俺は良いけど、詩音に迷惑じゃない?”

彼は、私に気を使っているのだろうか?

“全然。私が、直とちょっとでも長く一緒にいたいの。我儘言ってゴメン・・・”

ホント、つくづく我儘な奴だと思う。
ってか、言ってて恥ずかしい。

顔が赤くなるのを感じて俯くと、不意に彼は抱きしめてきた。

“ッちょっと、濡れちゃうよ”

そう、さっきまで海に入っていたわけだから、夏とはいえどもまだ乾いてはいない。

“んっ?別にいいよ”

彼はこともなさげに言うけれど、

“良くない!”
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