人形姫~Where is Princess's mind?~

由貴が戻ってきたのはそれから暫くたった、開演ギリギリだった。

“もうっ、由貴!!始まっちゃったらどうしようかと思ったじゃない!!”

“ごめんごめん。バッチリ番宣しといたからね”

“・・・誰に?”

“もちろん、詩音の彼氏様”

“あー、もうバカー。ヤダって言ったのに!!”

“もう済んだことは諦めなさい。ほら、舞台始まるよ”

“明日香まで!!”

なんだか良いように丸めこまれてるような気がするのは私の気のせいだろうか?

本当はもっと反論したかったけど、もうそんな時間もほとんど残っていない当たり、この二人そうとうな策士だと思う。

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