人形姫~Where is Princess's mind?~
けど、
詩音は笑顔で手を振っていた。
――…嘘みたい…。
“あっ、梨佳のサンダル…”
私の後ろで小さい子ども声がした。
振り返ると、その子はどんどん海に入って行ってしまう。
“まって!危ない!!”
私の声も虚しく、その子は沖へと入って行く。
“キャ―――”
“梨佳っ”
母親と子どもの悲鳴が響いた。
“誰か助けて”
母親は泣きながら頼むけど、誰も動こうとはしない。
なぜなら、みんな自分の身がかわいいから。
だから、私が入ろうとしたんだ。
“あんた、私のサーフボード持ってて”
“でも…”
“あんたバカ?制服で海入ったって溺れるだけだから”
詩音は笑顔で手を振っていた。
――…嘘みたい…。
“あっ、梨佳のサンダル…”
私の後ろで小さい子ども声がした。
振り返ると、その子はどんどん海に入って行ってしまう。
“まって!危ない!!”
私の声も虚しく、その子は沖へと入って行く。
“キャ―――”
“梨佳っ”
母親と子どもの悲鳴が響いた。
“誰か助けて”
母親は泣きながら頼むけど、誰も動こうとはしない。
なぜなら、みんな自分の身がかわいいから。
だから、私が入ろうとしたんだ。
“あんた、私のサーフボード持ってて”
“でも…”
“あんたバカ?制服で海入ったって溺れるだけだから”