人形姫~Where is Princess's mind?~
案の定彼はそこに居た。
“ねぇ、今日何を考えて走った?”
いつもなら穏やかに声をかけるけど、この日は違う。
人形姫と言われる通り、酷なことを冷たく言い放つ。
思った通り、彼は黙ってしまった。
“余計なこと考ええないで、走ることだけを考えなよ”
こんなこと、ただ彼を追い込むだけだって、煽るだけだってことくらい分かってる。
けど、彼は優しい人だから、強い人だから、これくらい言わなければ絶対に胸の内は話さない。