カゴの鳥
昨日は肉料理ばかりだったせいかおにぎりがいつもより美味しく感じる。


僕がもぐもぐ食べていたら伊織先輩が話しかけてきた。


「利都ちゃんこのくらいなら食べられる?」


「はい、大丈夫」


このくらいの量なら苦しくない。


「そう、よかった」


先輩は本当に嬉しそうに笑った。


「明日からもちゃんと食べるんだよ。オレが連れていくから」


「はい」


人とご飯を食べるのはやっぱりいいなぁと思えた。


こんな穏やかな朝なんて久しぶりだった。


……伊織は朝からでも和食セットをペロリと平らげた。


どうして朝からあんなに食べられるんだろう?


僕はオレンジジュースを飲みながら考えていた。


「?利都ちゃんどうかしたの」


「…!なんでもない。もう伊織も食事は終わり?」


びっくりしたぁ


「うんっ♪そろそろ出発してアカデミーに任務の報告しに行かないとね」


「はい、そうですね。あまり遅いと先生方に心配をかけてしまいますね」


先輩は席を立ち


「帰ろうか」


そう言って歩きだした。


こうして、また昨日と同じように馬車に乗り、アカデミーへの帰路についた。


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