カゴの鳥
長引かせるのはよくないな……


僕は真木より体力無いし……


先輩の方は篠原先輩が体力あるみたいだし。


そんなことを考えていると


「てかおれらって白魔法専攻なのに攻撃しあうって専門外だよなぁ~」


……今気づいたの!?


「本当だね」


真木に僕は相づちをうったけれど……


僕、本当は攻撃系の魔法のほうが得意なんだ。


白魔法を専攻したのは理由があるからだ。


ごめんね、真木……


僕は懐から袋を取り出し、中の粉を真木にむけばらまいた。


「うわっ!なんだこれ!!」


真木は手で鼻と口をおさえたが少し遅かった。


僕は粉を吸ったのを確認した。


【木々が眠る、いけとしいけるものが寝静まる。我の声は子守唄、我は安らぎを与える者】


僕が呪文を唱えだすと真木はふらつきだした。


「………あれ…?」


僕の魔法が聞いてきているようだ。


「……ど…したん…だ……お…れ……?」


真木はなにが起こっているのか理解出来ていない。


あとは僕が詠唱を完成させれば完璧だ。


一度目を閉じて精神を集中させ、最後の呪文を唱えた。


【我の声が聞こえたならばしばしの間、眠れ】


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