カゴの鳥
教官の指示の放送が終了した。


僕は篠原先輩にかけている魔法を解くために指を鳴らした。


パチンッ


そうすると、篠原先輩の足元を拘束していた氷が一瞬で消えた。


篠原先輩は地面にしゃがみこみ、唸りだした。


……ちょっと怖い


「さあて、篠原はほっといて帰ろ」


「はい」


先輩に返事をしてから篠原先輩に話しかけた。


「……あの、真木のことよろしくお願いします」


僕がそう言うと少し間をおいてから返事があった。


よかった


これで真木もおきざりとかはないよね…


それから僕たちは控え室に戻った。


「利都ちゃん、はやく座った方がいいよ。足元フラフラ…」


「ごめん…ちょっと大きな魔法使いすぎた」


僕は立っているのも辛くなっていたので助かった。


「本当にねぇ~、いくら友達傷つけたくはないとはいえ……」


「…………」


「術者が動けなくなっちゃ駄目だよ」


先輩は少し僕を責めるような口調だ。


「……真木を傷つけたくはないってのもあったけど僕、体力無いから長引くと不利なんだ……」


「……はぁー」


先輩はため息をついてから話し始めた。




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