カゴの鳥
「あぁ!キミってこの学校じゃあ結構有名なんだよ」


「一族惨殺事件の生き残りですから当然ですよ?」


なんで今更先輩はそんなこと言うんだろ?


先輩は笑いながら


「違う違う。勿論それもあるけど、見た目だね」


「見た目?」


「そう!女の子みたいにかわいい顔と、殆ど感情を出さないからアイスドールってね。でもたまに笑うとめちゃめちゃかわいい」


「……え!」


女の子みたい……


「以上がキミが有名な理由♪」


「……はぁ」


女だと疑われているわけではない……か?


「ちなみにオレのことは知ってる?」


「……いいえ。すみません」


南先輩は気にしたふうはなく話を進めた。

「そっかぁ。でもなんかそんな感じ♪噂とか興味無さそうだもんね」


「そうですね。…それより任務の事なんですが…」


今思い出したというような顔をして


「そうだったね。今からじゃあ暗くなっちゃうから明日、朝一で行動しようか。どうかな?」


先輩は僕に笑顔で聞いてきた。


「僕は今回が初任務なので、南先輩に従います」


「オッケー、じゃあ明日の朝5時寮の前に集合な」


「はい。わかりました」
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