カゴの鳥
神代先輩の言った事を先輩に聞こうと先輩の方を見た。


びっくりした顔で固まっている伊織の姿があった。


十分に1分は固まってから


「ないない！どっからそういう発想になるんだよ！！」


神代先輩に早口で反論し始めた。


「ゼン！お前頭大丈夫か！？」


思いっきり神代の肩を掴んでゆらしている。


伊織とは反対に冷静なままだった神代は肩から伊織の手をゆっくりした動作でどかした。


「そんなに焦らなくてもいいじゃないですか。ただそうだったら面白いと思っただけです」


笑顔でこたえた神代を見て伊織は疲れた顔でため息をはいた。


もう言い返す力も無いといった感じだ。


「ねぇ、志水。そっちってなに？」


さっきから気になっていたことを志水に聞いてみた。


そうすると、ただ静かに傍観していた志水が今度は驚いた顔をしている。


「…北条知らないの？」


「……うん、知らないとまずいこと？」


僕は普通は知らないとおかしいことなのかと思い焦った。


「知らなくても問題ありませんよ」


声をした方へ顔を向けると優しい笑顔の神代先輩がいた。


「知らなくても…平気？」




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