カゴの鳥
僕は首を傾げて、聞き返した。


「そう、君は今のままがいいんですよ」


「……?」


神代先輩の笑顔に裏は無さそうだし、いいのかな……?


「ほら、ゼンが変なこと言うから利都ちゃんが興味持っちゃっただろー」


「ボクのせいなんですか?」


「勿論!」


先輩たちの話を聞いていると本当に仲がいいんだなぁと思った。


「先輩たち、もうすぐ目的地ですよ」


いつでも、志水は冷静だなぁ。


僕も見習わなきゃ。


「そうですね、これから任務ですし気合い入れなくては」


「そうだな、まずは状況確認だ」


さっきまでとはうってかわって先輩たちは真面目だ。


きりかえはやいなぁ~。


「やっぱり、伊織はすごいんだ…」


「えっ!?今頃実感したの」


「……うん」


志水のさっき以上のあまりの驚きように僕のほうがびっくりだ。


「北条は凄いのにどこか抜けているよね」


「……そんなことない」


今までそんなこと言われたことなかったので少し意地を張ってみた。


「じゃあ、その間はなに?」


………


本当は最近知らないことが多すぎるなあと思っていたところだ。




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