カゴの鳥
自覚もあったりする…


「……志水の言うとおりです」


「よろしい」


志水は満足そうに笑った。


やっぱり志水は腹黒さんだ……


「ほら~二人とも、任務開始するよ」


先輩に呼ばれた。


「「はい」」


僕たち二人は返事をして、先輩たちの元へ向かった。


「あそこが今回ボクたちの任務のターゲットがいる洞窟です」


そう言って神代先輩は少し先にある洞窟をさした。


洞窟は崖の近くにあった。


崖の端はもういつ崩れてもおかしくない感じだ。


「魔物が複数居るのにあの足場の悪さは最悪じゃあないですか」


志水が不機嫌そうに言った。


「そうだよなぁ、今回オレが一番不利だよな」


「そうですね、伊織は武器が大鎌ですからね」


志水と伊織の言葉に神代がこたえた。


「それでは、一旦宿に戻って作戦を立て直しますか?」


最初に予定していた伊織メインの作戦では無理そうだ。


「そうだね、利都ちゃんの言うとおりだな。あれは足場が悪すぎる」


僕の言った言葉に伊織が最初に賛成してくれた。


そして、後の二人もそれが妥当だと判断したようだ。


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