大好き、ばいばい【実話】
うーん...。
どう...なのかな?
恋をしたことのない私は
いつも皆を羨ましく思っていたんだ。
楽しそうに恋の話しをしている輪に
私も混ざりたかった。
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びゅうぅー
一瞬涼しい風が吹き、
私の黒いワンピースを揺らす。
夏の青空を見上げ、
額の汗をぬぐう。
八月に入り、
夏ももう本番。
夏休み中、私はほとんど毎日自転車で図書館に通っていた。
静かな図書館は、私の気持ちを落ち着かせる
唯一の場所。
家には両親と高校3年生の姉がいて、
いつも私に必要以上に関わって来る。
はっきり言って離れたいから図書館に来てるんだ。
---五月蠅くてたまらない。
私はずっと家族の事をそう思っていた。