大好き、ばいばい【実話】
でも会えるはずも無く、
あたしは重い体で家へ向かった。
自転車を止め、
玄関を開ける。
ドアの鍵を閉める音が静かな家に鳴り響く。
いつもこう。
この家はいつも静かで
帰って来ても誰も歓迎しない。
でもなぜかいつも私にはしつこく付きまとう。
部屋にいれば出てこいだとか
五月蠅い。
だから家にいたくないんだ。
自分の部屋の戸を閉め、
真っ白なシーツが敷かれたベッドに寝転がる。
自分の黒い真っ直ぐな髪がシーツにかかる。
.......あの人は何色の紙が好きなのかな...
そんなことを考えている自分が恥ずかしくなり、
枕を自分の顔に押しつける。
なんていう...名前なのかな..。