キラめく堕天使
「さっきのお願いなら、あたしにも叶えてあげられるわ。ほら、見て」
白く細長い指がオレのベットを指差した。
そこには、すらりとした肢体の、『ヒト』が横になっている。
十代後半か二十代前半って感じかな。
ほっそりとした、しなやかな体つき。
手も足も長くてきれいで、男だか女だかわからない感じ。
そして、オレは息を飲んだ。
その顔は、ものすごく整っていた。
当たり前のようにすっきりと整っていて、鼻や閉じた目もとのラインもとても優美なのだ。
日本人。なんだけど、ちょっとヨーロッパ系の血がどこかに混ざっていそうな感じ。
そして、中性的だった。
一見して、綺麗、なヒト。
オレは見とれて、羨ましさで声も出なかった。
こういう見た目を、何食わぬ顔で、手にしている人間もいるんだ。
神様は意地が悪い。
こういう人の、綺麗さにも手を抜かないし、オレのように、真逆の作りの人間にも容赦ない。
「これは、超低級魔族のフィックス。
ほとんど知能はないから、あなたの魂だって簡単に同居できるハズ」
同居?
って、オレの魂を、これに寄生させるってことか!?
「フィックスはね、悪食なんだ。
人間も食べちゃう。
だから、人間を寄せ付けるキレイな見た目をしてるの。気に、入らない?」