キラめく堕天使
ベットから飛び起きて、ローチェストの上の小さな鏡を覗き込んだ。
最低限の身だしなみに使う、苦肉の鏡だ。
その中に、優美なラインを描いて見開かれた、目が写っていた。
横長で大きな目。
瞳は子供のようにウルウルと漆黒で、白目は青白く澄んでいた。
オレの服を着ているようだけれど、オレが着ていたものと同じものとはとても思えなかった。
シンプルなシャツさえ、その美貌を引き立てるのに役立っている。
「コレが、オレ?」
言って、何かに殴られたような痛みを頭に感じた。
そういえば、違和感がどうのって言ってたな。
もしかして、これがそうなのかも。
無意識に頭を押さえていると、
「まだ力が弱すぎて、人間界に留まれる力がないのよ」
「力が弱いって、オレの?」
「違う。
基本的に、そこはフィックスの体だから、そのフィックスの能力で生きないといけない。
だから、魂は人間でも、人間の世界には適さない体なんだ」
ルナは言って、部屋の壁面に触れた。