キラめく堕天使
「じゃ、このフィックスの命が尽きれば、オレの魂も抜け出て、やっと魂は君のものになるの?」
「そう。そしてめでたく、ジュランは開放される」
ルナは言って、自分の超ミニスカートとブーツの間の素足に指を這わせた。
ゆっくりと指先をブーツに近づける。
と、ふくらはぎの内側から、何かを抜き取った。
さやに納まった、短剣、だった。
ルナは、唇に笑いを浮べたまま、それをゆっくりとオレの目の前で引き抜いた。
ギラギラした銀の光がこぼれ出る。
先まで綺麗に研ぎ澄まされた、切れ味の良さそうな刃がスラリと姿を現わせる。
もしかして、手っ取り早く、オレを殺す、とか。
なんだ、もう終わりなのか。
まだ、綺麗な体に入っている自覚さえ味わってないのに。
オレは、唇を歪めて笑った。
多分苦渋の笑みを浮べているだろう。
それでも、今のオレなら、似合うんだろうな。
逃げる?
けれど、動けなかった。
鈴菜ちゃんにそっくりな可愛い天使。
彼女に殺されるのなら、それでも構わないかも。
頭のどこかでそう思っていた。
ルナの可愛い唇が、動く。
「これ、あげる。あなたの護身用」
短剣は、さやにおさめられて、オレの手に渡された。
え…と。
ずっしりと重い、な。
「護身用…ってことは、オレはこれから危険な目に合うってこと?」