キラめく堕天使
中には誰もおらず、不気味に静まり返っている。
その光景を、青く淡い光が照らし出しているのだ。
冷たい、無機質の監獄でしかないのに、その光のせいで、見るものが幻想的に浮かび上がっている。
そのギャップが、また、ここの雰囲気を静かな怖さへ導いている。
しゃらり。
またあの音が聞こえてきた。
突き当たりの通路に布の老婆の姿が横切り、ゆっくりと音は離れていった。
身を隠す暇がなかったけれど、助かった。
見つからなかった。
見つかるとどうなるのだろう。
きっとあの布の老婆は牢獄の門番なのだ。
不法?進入しているオレを見逃すハズがない。
オレは老婆から離れた方角へ歩いた。
すると、どこからか、女の子のものらしい、声が聞こえてきた。
きゃーきゃーと騒いでいるようだ。
何だろう。
思って、そっちへ行ってみた。
オレンジ色の明りが見えて、その姿が見えた。
通路は広くなって行き止まっていた。
その手前に髪の長い女の子が、地面から突き出ている岩を椅子代わりにして座っている。