キラめく堕天使
近づくと、輝くような美女ばかりなのに、その格好には、違和感があった。
黒い布を胸に巻きつけて、背中で大きく結び目を作って結んであるのだ
それにグレーの、白が薄汚れてそうなったようなグレーの超ミニのスカート。
足元には同じような色の羽根を覆わせたようなブーツ。
どこかで見た格好だな。
オレは思った。
それから、彼女達のほとんどむき出しの背中に、結び目からはみ出している傷口を見つけた。
堕天使だ。
どこかで見た格好だと思ったら、スカートから下は、ルナと同じなのだ。
ただ、堕ちてから年月がたっているためか、白かったスカートやブーツが砂色に染まっている。
「オレはフィックスじゃない。人間だ」
言うと、彼女達は、顔を見合わせて、笑った。
「人間がこんなところにいるわけがないじゃない」
「ねえ」
クスクスと笑いが漏れる。
笑いながらオレを見るその目は艶やかで、天使のものとは到底思えなかった。
まあ、もう天使じゃないわけだけど。