キラめく堕天使


「そっちこそどうして?これは、飲めば人間になるお酒じゃないのか?」

 ルナは、視線をその液体に落とした。

「人間になるの?」

 そして、さっきの堕天使たちと同じように、ここで、身も心も堕ちてゆく。

「人間になれば、背中のこの、ウズウズした、痛みは消えるんだよ?」

「でも、ジュランはいいの?彼女は天使の、ルナのことが好きなんじゃないの?」

 ルナの、グラスを持つ手に力がこもった。

「あたしはもう、天使じゃない。

それに、ジュランはあたしのことをただの天使のひとりだとしか思ってなかった」

それって、完全に片思いじゃないか。

そんなので、堕天されるのか?

ふと、何だか、重要な考えに行きつきそうな気がした。

なのに、ルナを見ていると、思考が定まらない。

オレは、ルナが勝手に中身を飲んでしまわないようにグラスを取り上げて、目を閉じた。


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