キラめく堕天使
そうだ。
このお酒。
このお酒を
オレはハッとして目を開いた。
「ジュランはもう上にいなかったんだよな。
もしかして、この監獄に落とされて、この酒を飲まされてるんじゃないのか」
ルナは、その瞳の中の意識を深い闇の中に落とした。
それが、見えた。
そんなにも、ジュランのことが好きなんだろうか。
その、ジュランは女だ。
ルナも、女の子にしか見えない。
オレは嫉妬しているような、何だかよくわからない気持ちになった。
「探そう。ジュランを、人間にしたくないだろう?」
オレはルナの手を取った。
何かを探しまわるために歩き回りながら、ルナのいるこの場所を忘れないでいるのはけっこう大変なのだ。
一緒に移動してくれた方が助かる。
「傷は痛む?」
「大丈夫。ジュラが手当てしてくれたから」
笑ってる。
さっきは、この痛みから逃れるために、人間になっていいって言ってなかったっけ。
ルナって、心が強い。