キラめく堕天使

ルナが彼女の身体に触れ、揺すると、白い肌が棘に触れて、ぷくりと赤い血を吹いた。

「ルナ、駄目だ。彼女が傷つく!」

 オレはルナをジュランから引き離した。

「ああ、ジュラン。きゃーっ」

 地面にへたり込んだかと思うと、間をおかず悲鳴をあげた。
 
見ると、そこに、瑠璃色のグラスが転がっていた。

「ジュランは、これを飲まされたんだわ!」

 息の漏れる音がして、オレはジュランの方を見た。
 
長く美しかった髪は、短く誰かに乱雑に切られたようになっていた。
 
目を上げると、その綺麗な瞳に、オレは一瞬で心を奪われた。
 
澄んだ、深い漆黒。
 
黒目がちなその目を縁取る、ほんの少し上がったラインの目元。
 
その目が真っ直ぐにオレを見た。
 
オレは心臓も魂も、鷲づかみにされたように、動けなかった。


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