キラめく堕天使

「そうか。それなら真似事に過ぎない。まだ、元の身体に戻れる」

 そんな。

ショックに身体中を走られる。

戻りたくない。
 
戻ったら、この綺麗な悪魔は、オレのことを、どんな目で見るだろう。
 
醜い、人間。
 
そんなオレを、その瞳に写すことすら拒否するかもしれない。
 
ジュランはルナに向かって何か言おうとして、ふっと意識を失った。
 
頭をたれ、動いたせいで、首に赤い筋が出来た。

「彼女、どうしたの?」

「毒を、飲まされてる。」

「毒!?人間になる酒じゃないのか!?」

 ルナは首を横に振った。

「いつも身につけている宝石がないわ」

「宝石?」

「そう。ジュランはね、元々、ビックスって種類の、下級魔族なんだ。

その、ビックスは、宝石を身につけることで、すごーく強くなることができるのね。

魔王と同じくらいの力を持てることもあるの。

それと、力と同じくらいの綺麗さも」

それは、それは。

さぞかし、他の輩に憎まれていることだろうな。

「だから、人間にする必要がなかったんだと思う」

宝石を取り上げたら、人間並みに魔力もないからか。

「その代わり、下級魔族にしか効かない毒を飲まされてる」


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